氷蓄熱冷水シンク開発ストーリー
その業者はあるうどんチェーン店の厨房設備の設計施工を請け負っている企業で、施主からは出店するたびに、設備工事費が下がる提案はないかと言われていたようです。
このうどんチェーン店は、コシのある硬めのうどんをつけ麺方式で提供しているのが売りで、茹でたうどんの仕上げに冷水でシメてコシとツヤを出し、お客様に提供していました。
うどんのシメに使用している冷水は、瞬間冷却方式の冷水器を使用されていました。
この瞬間冷却式冷水器は、シンクから離れた場所に設置されていました。うどんをシメる際に使用されるシンクの近くには、厨房機器全体のレイアウト上、冷水器のサイズを大きく設置することができず、そのためシメに使うシンクまで冷水を供給する配管工事が必要になってしまっていたのです。
また、冷水器が近くにないため、配管を通りシンクまで流れてくる間に冷水温度が上がってしまうことや、水温の設定を最大限低温にすると、逆に冷水の供給量が不足してしまうなどの悩みもありました。
このような悩みや、改善したいこともあって、大西冷熱へシンクを直接冷却して冷水をつくることはできないかと相談があったのです。
製作が可能であれば、うどんをシメるその場所に冷水があり、冷水を他の場所から供給するための配管工事も不要になり工事費が削減できる。
このような要望で、初めに一槽タイプのシンク型冷水器を製作し、既存店舗で運用テストを行いました。
その後2度3度と形状や仕様の改良を行い、四槽タイプのシンク型冷水器が開発されました。
これが、この店舗用のスタンダード機種となり、各店舗へ導入されました。
ユーザー様にメリットがあるシンク型冷水器。他の店舗でも同じように感じているユーザー様がいるのでは?
そう考え、今まで開発してきた構造、冷水の容量、機器のサイズなど鑑みて、大西冷熱のスタンダード機種として現行の「氷蓄熱冷水シンク(こおりちくねつれいすいしんく)」を開発。製造・販売を開始しました。
おかげさまで導入されたユーザー様からは「冷えるのが早いね」「こんなに氷ができるのか」「次回、店を出すときもよろしく」などの声をいただきありがたく思っています。
これからも、みなさまの悩みの解決やメリットある提案ができるよう、技術を磨いていきたいと思います。